NO.9｜ときどき日記

はじめてのジロ・デ・イタリア観戦が終了しました。
面白かった……！　上位が混戦模様だったので、今日のタイムトライアルはものすごくどきどきでした。手に汗握った。
しかしほんとに想像以上に面白い競技でした、自転車ロードレース。
ばーっと飛び出してスポンサーの名前をたくさんアピールする人とか、自転車漕ぎながらバナナの皮を剥いてもぐもぐ食べる人とか、ジャージの中に入るだけボトルを（ポケットだけではなく襟元からも）突っ込んで運ぶ人とか、エースがパンクしたら自分のバイクからタイヤ外して渡す人とか、漕ぎながら小用を足す人（びっくりした…）とか、レースの行方以外にも「そうなんだ、そんなことしちゃうんだ！」ってことがいっぱいあった。
集団で走ってるときはけっこう和気藹々とお喋りしたりしてるんだな～。
ハグとかほっぺにちゅーとかなんかいちゃいちゃしてるんだな～。
エースばかりの集団になると、先頭の人が「誰か前走ってよ！」って言ったら思い切り聞こえないふりとかしちゃうんだな～。

終盤辺りにはレースの駆け引きもなんとなくわかってきていっそう楽しくなったのですが、何よりもアシスト陣が全力でエースを牽く姿と、献身的にお世話する姿がときめきでした。
さきほどRRにお詳しい方とお話しさせてもらって「自分のすべてを犠牲にしてでもエースを勝たせるのがアシストの使命で、仕事で……」と言われて改めてきゅんとしたんですが、同時に「基本２人部屋だし、年中脱いでるし、決まったアシストと常に同部屋というエースはいくらもいるし」と教えてもらったため、ときめきの収め所に迷っています。
スポーツには萌えを持ち込まない主義だったんだけど、もう諦めようかな。このキュンはないないしなくてもいいことにしようかな。
約一ヶ月後にはツールドフランスがはじまるので（いつもは7月だけどオリンピックの都合で今年は開催が早いとのこと）、ジロとはどんなふうに違うんだろうと楽しみです。

あ、大会前に予備知識として見たJスポーツのロードレース紹介番組が面白かったので貼っときます。
ツール・ド・フランス ウォーカー
レース見てるときも思ったけど、自転車を漕ぎながら着替える人（上記動画だと6分辺り）ってちょっとした芸みたいだなと思います。漕ぎながら缶コーラは飲みにくそう、というか動きながら飲んで噎せないってすごい。

あと、なんだか好きな動画というかPV。
Sella（RAPHAという会社のチームのある一日、なのかな）
自転車レース、なぜかマッサージシーンをよく見かけます。おかげで外国人選手の生腿や生尻を見慣れてきました。

相変わらずロードレースのお勉強をしながらジロデイタリアを見ています。
最初に名前を覚えた人（動きが目立ってたりジャージがわかりやすかったり）から順に応援している感じだったのですが、ネットに面白い漫画を載せている人を見つけたので、その人が好きな選手（面白く描いてる選手）が気になりはじめました。
仕事中は手を止めてぼーっと考えている時間が長いので、休み時間のはずのレース中継が一番集中してるかもしれないっていう本末転倒。遠距離の友人とチャット状態で会話しながらだから一番手が動いている。

NBA、今季はけが人が多すぎて（寂しい）プレイオフに対してのテンションがだいぶ下がっているのですが、ペイサーズとサンダーが頑張ってるので応援したいです。
ファイナルに入ったら（私の）気分が盛り上がるかな～。組み合わせ次第ですけども。

四月から甥っ子が幼稚園に通ってるんですが、そこの園庭にある植物に名前の看板がついているそうです。甥っ子はそれをいつも「なんて書いてあるー？」と私の妹（母親）に聞くらしい。
漢字やカタカナは読んであげるけどひらがなはもう覚えているので、ひらがなだけの立て札を指して「読んでみて？」と言ったところ、
「く、ち、な、し」と甥が声にだす隣でクラスのお友達が
「し、な、ち、く」と逆から読み上げていたそうで、
『くちなしはしなちくか～、と何かいいことを知ったような気がしました』と妹からメールが来ました。いいことかどうかはわかりませんが、私も『あ、それは盲点だった』と思った次第です。
そういえば、くちなしの花のあのとろんと重みがあるような濃くて甘い香りが大好きです。すごくすごくいい香り。

散歩中に遭遇したメンタリストジャンパー（をおじいさんが着ている）がよほど衝撃だったのか、父が「ほら、こんなんだったんだよ、ほら！」とデジカメを見せてくれました。
「キジを撮るふりをして隠し撮りしてきたんだ！」って。
六十代後半のおじいちゃん（孫二人）がよそのおじいさんをこっそり激写する朝の河原。
でもまあ、見たら父がわーわー言ってた理由がわかりましたけど。たしかに「え……え！？」て二度見しちゃうね。これから畑仕事ですか、みたいなおじいさんの背中にばーんと入ってる黒地に赤のレッドジョンマーク。足元は晴れてるけど長靴（農家風）。
わかりやすくお見せしたいけどよその人の隠し撮り画像を我が家から出すわけにはいかないので、なんていうか、お年寄りが孫のパンクかロックなＴシャツを着てぶらぶらあぜ道を散歩している様子を想像してください。たぶんそういう雰囲気。

（父が撮った野良キジ）

活動的な季節になったのか、このところロッコが夜中に一人で暴れています。
一人で廊下をダッシュして、急ブレーキをかけてバッと振り返ったりする。架空の敵と戦っているようにしか見えない。すごくしっぽが膨らんでるけどあなたの相手は妄想だよね？　って感じ。
一人ダッシュじゃないときはオモチャと格闘しています。
がさがさがさがさって大騒ぎで音をさせているので廊下を見ると、ボール状にした紙と延々たわむれている。自分でドリブルして「逃げるな～！」みたいなことをしている。
あれこれとオモチャを買い与えましたが、結局のところ丸めたチラシが一番よく遊ぶ気がします。単純なものほど子供は楽しいのかもしれない。

そういえば父がいつもの散歩中に河原で写真を撮っていたら、よくすれ違うおじいさんが背後を通ったそうなのです。ガラガラとスポークが鳴る自転車を支えにするようにして引いて歩くご老人で、その音で『あ、いつもの人だな』と振り返ったら
「そのおじいさんが赤い笑い顔のマークに『MENTALIST』って字が書いてある黒いジャンパーを着てたんだよ、赤くてたらっとしずくが垂れてるあのマークの！　びっくりした！！」
だそうで、「そりゃあびっくりするよね～」って。
田舎の朝の河原にレッドジョンマークのおじいさん……孫か誰かが懸賞で当てたのかしら。

ところで私と一緒に海外ドラマを見ることが多い父は、メンタリストのジェーンさんを「あの面白い奴」と非常におおざっぱに呼びます。ハウス先生のことは「あの面白い医者」って言ってる。私が見るドラマではその二人がお気に入りなようです。
彼は今月末にCSのドラマチャンネルではじまる『メンタリスト３』を楽しみにしている様子。私も可愛いジェーンさんを見るのが楽しみです。

BLとも小説ともなんの関係もない日記で申し訳ありません。

ペダルにはまってジロがはじまったのでサイクルロードレースを見始めました。
NBAは大昔のスラダンから、NFLは数年前に連載中のアイシールドを読んだときから、どっちも元々好きで見ている父の横にはべって「いまの反則なに？」「どうすると何点入るの？」などと訊きながら見ていたら面白くて、毎シーズン見るようになったのですが。
アメフトとバスケ以外に昔から父に「面白いから見てみろよ」と言われてたのがツールドフランスとアメリカズカップ（ヨットレース）で、「そんな長丁場のレースはさすがに無理だよ～」って言ってたけど、まあ漫画を好きになったら見たくなりますよねっていう。

で、先日試しに去年のジロ・デ・イタリアのラスト山岳ステージ（開幕直前再放送）を見てみたら、父に解説を頼まなくてもなんだか楽しかったのです。
なので昨日開幕したジロの中継を仕事中に流しています。
レースを見はじめました、と呟いたら自転車ロードレースにお詳しいフォロワーさんが「長期間だし中継時間も長いので、お体に気をつけてご観戦くださいね」とアドバイスをくださったので、初心者としては気合いを入れず時間があるときにゆるく見ていこうと思います。うちはJスポーツ４が入らないから見られるステージも少ないし（しかしその合間にツールの開幕直前再放送が挟まっている……）。

でもって好きな選手がいると俄然楽しく、かつ見やすくなるのが試合なわけで。
私はとくにチェックする選手が決まっていないとどこを見ればいいのかわからなくなる人間なので、早いとこお気に入りの人を見つけたいです。まだ選手の体の動きを見慣れないから、どの辺りで自分がきゅんとくるのか予想が付かないんですけども（とりあえず細身の選手のシッティング時の腰というか尻を見ているとドキドキすることだけは把握しました）。
そういえばアメフトを見始めた頃はオフェンス側（どっちかっていうとすらりと背が高い人が多い）にしか目が行かなくて、一番好きな選手がディフェンスタックル（ごつくて素早い。あと獣っぽい）になるなんて思わなかったなー。

ところでNBAがプレイオフ中なのですが、私が「できれば粘って！」と思っていたチームがどうやら一回戦でスウィープされてしまったと、試合結果ではなく選手本人の「ファンの皆さん、一年間サポートしてくれてありがとう」というお詫びツイートで知ってしまってしょんぼりでした。
今季はスーパースターが次々大きな故障や手術をするし、本当に寂しいシーズンだった……いや、まだ終わってないけど。
NFLでもハラハラさせられましたが、ロックアウトが長引くのは見てる側にとってもしんどいです。
ヒートは優勝しないとまずいんだろうけど、でもおばちゃんとしてはもう一回ぐらい涙を呑んでもらいたいな～。そっからのスリーピートとかでいいんじゃない？　みたいな気がしてしまう。
自分が年寄りなので、お年寄りがいるセルティックスやスパーズに肩入れしちゃうだけですけども。
ローズがつらい怪我をしてしまったので、若手ではデュラントとウェストブルックのコンビを応援しています。あとロンドも。ロンドも！

「最近気がついたの、巻ちゃんは誰が描いてもだいたい巻ちゃんに見えるデザインなんだよ」と友人に言われたのでどれどれとラクガキしてみたら、「あ、本当だ！」ってなりました。下まつげとほくろ二つのわかりやすさ半端ない。あと、力を抜いて描こうとすると幽霊っぽくなる率も半端ない（はかなげを通り越してはかなくなられてしまわれる）。
久々にシャーペンを持ったついでにちょっとした出来心でバーナビーさんを描こうとしてみたら、とても難しいだろうという予想以上にあの髪の毛が困難だったので早々に諦めました。絵を描かない人間が気軽にチャレンジできるキャラクタではなかった。というか可愛くもかっこよくもないバニーちゃんなんて見たくない（自分の仕業なら特に）……。
それにしても描ける人ってすごいなー。
アニメや漫画を好きになると、絵が描ける人が羨ましくてしょうがなくなりますね。羨ましいから子供のときは毎日らくがきしてたんだなって思い出しました。

ところで今日コーヒーをこぼしました。
椅子から立ち上がるときに思い切りカップをはらい落としてしまい、脱いであったふわふわスリッパ（着席時用。つま先が冷えるから）がほぼ一杯分のコーヒーを受け止めて、なんかモップみたいにあっという間に吸収してくれちゃって。
「わー……」ってなりながら持ち上げてみたらすごくじゅわっとしてたので、『なんてジューシーな手触り』と心の中で呟いてしまいました。
手洗いするのが面倒なので洗濯機でなんとかいけないかな？　って思ってるけどきっとくたくたになるんだろーなー。
ちょっと前に母の日のプレゼントは何がいいかと妹に問われて特に欲しいものはないよと答えたけど、明日は寒いという予報なのでお部屋スリッパが急に欲しくなっています。
でも明日は母の日じゃないから自力でなんとかしなくては。……膝掛けでつま先を包めばいいかな～。

ついでに今日が五月三日だと夜の十時頃まで知らなくて、知った瞬間にだいぶ驚きました。
二日だと思ってたのに～！　もう！

父が趣味で散歩をするんですけどね。川沿いを毎朝１時間ほど（ウォーキングではありませんが、体力維持を兼ねているのでわりと距離を歩きます）。
しかしこのところ貧血気味で疲れやすいらしく（歳も歳です）、彼が「散歩に行くのもだるいぐらいの日があるんだよなあ」とぽろりとこぼしたので、「じゃあやめとけば？」と母が言ったのです。

父「いや、やめないけど」
母「なんで？　散歩なんて無理して行くようなものじゃないでしょ」
父「だって鳥が待ってるし」
母「それ自分が見たいだけよね？」（父はその辺の野鳥を眺めるのが好きです。）
父「いいや、俺のアオサギが待ってるんだ。最近キジとも顔見知りになったところだし」
……『俺の』って何。

しかし父にはカー子という友達（野良カラス。父を見ると寄ってきて、通行人が来ると父の後ろに隠れる）がいて、そのカラスを見かけると「おはよう」と挨拶しているようなので、もしや川の真ん中にたたずむアオサギに呼びかけたりしているのか（端から見たら変な人）、『俺の』というほど親交を深めているのかと心配になって尋ねたところ
父「ううん、声はかけないよ。写真は撮るけど」
私「よかった、（河原から鳥に向かって大声で）挨拶したことはないのね」
父「前におはようって言ったら逃げられたから」
あ、しちゃってた。一瞬ほっとしたのに……。
そして父→アオサギの友情は完全に片思い。

私「ねえ、明らかに待たれてないよね。きみが行かなくてもその鳥寂しがらないよね？」
父「でもあいつ、会うと『あ、おまえか』って顔するんだぞ」
私「いや、そんなに好きなら会いに行くなとは言わないけど……」

子供みたいなことを言うのでうっかり中学生の純情片思いみたいな父の行動（遠くから見てるだけで満足／餌というプレゼントを渡すわけでも何でもない）を認めてしまいましたが、しかしちょっと具合が悪くても見に行きたいってどんだけ好きなの。
思わず「キジとはもっと仲良くなれるといいね」と応援してしまいました。
そしたら「キジはそんなに好きじゃない」って言われた。
うん、そうだね。顔がちょっと怖い気がするね……。

でもキジって本当にキジなんですね。父がデジカメで撮ってきた河原の野良キジを見て「わ、桃太郎」って言っちゃった。あんな派手な鳥が街中の川沿いをうろうろしてるってなんだか不思議（田舎だけど不思議）。
犬の散歩をさせてる人も野良猫もけっこういるのにな～。

昨日のことなのですが、新しいポリ手袋（皿洗い用）を出したら「脱ぎはめスムーズで（中略）はめやすくなりました」と包装の表に大きく書いてあったのです。それを見てたら、なぜかその他の「嵌めるものがはめやすくなる状況」を考えはじめてしまいまして。

腕時計「はめやすくなりました！」
腕「わあ、いい感じにフィットしてるよ～」

指輪「はめやすくなりました！」
指「いままでの号数が間違いだったんだろ」

ねじ「はめやすくなりました！」
ねじ回し「俺はもう必要ないってことか……」
ねじ「いや、そこまでじゃないけど」
（あ、仲良し。）

ボタン「はめやすくなりました！」
ボタンホール「いえ、わたしがあなたに合わせたんです」

落とし穴「はめやすくなりました！」
掘った人「あー、もうちょっと待ってほしかったなー」

罠「はめやすくなりました！」
（ブラックなネタを考える頭がないおかげでここらではっと我に返りました。）

うん。すごくどうでもいいですね、この想像。
まあ午前四時に皿を洗い出すとこういうしょーもないことを考えたりしますよねっていう。よね、って言って賛同してもらえることなのかどうか、いま書いてみたらちょっと自信がなくなりましたけど。

あ。はめるでいっこ思い出した。いまは亡き祖父が病気して痩せた頃、
「おい、誰かおじいちゃんの入れ歯使ったか？　なんかゆるくなってんだけどよ」って言って
「デブが使ったからって伸びたりしないだろ、パンツのゴムヒモじゃないんだから」
と父にツッコミを入れられたことがあったのでした。あの会話はちょっと面白かった。いや、単に私の好きな”うちのおじーちゃんのおとぼけエピソード”のひとつなんですけど。

一番好きなのは、サイドブレーキを引き忘れて車を降りたら自分の車に（前に出していたほうの）足を引かれて、「大変だ、さっき前足をひかれた！」ってうちに駆け込んできた祖父に
「おいおい、あんたの後足（あとあし）はどれだよ」
と父が言い放ったやつかな。
祖父はお弟子さんたち（少々ものを教えてた）から「鬼の○○」と呼ばれ妙に恐れられていましたが、江戸っ子らしくおっちょこちょいで（見た目もちっちゃくて）孫にとってはなかなかに可愛らしい人でした。

※一部間違えたので一時間後に直しました。

なぜかはわかりませんが、一昨日辺りにふと『冷やし中華』ってどういうことだ？　と思ったのです。
なんか漠然と中華料理を冷やしちゃってる。下手したらチャイナを冷やしちゃってる。大規模すぎる。
あのー、中華ソバのソバ部分、どこで落として来ちゃったの？
ラーメン屋なり中華料理屋なりで『冷やしそば』って言って日本蕎麦が出てくるとは思えないし（そもそも冷たい日本蕎麦は「ざる」とか「もり」とか言って出てくるものだし）、略すなら中華部分だよね？

というどうでもいい疑問がふっと浮かんだので『冷やし中華』で検索してみたら、昭和30年代の首都圏の中華料理店では「冷やしそば」という呼称がポピュラーだったと書いてありました。
だよね～。
どっかのお店が言い出して「ヒヤシソバ」より語感がいいから「ヒヤシチューカ」が広まったのかな。それとも『冷やし中華はじめました』の季節感溢れるキャッチコピーが秀逸だったせいかしら（広まった要因）。冷やし中華という名称を生み出した人と「はじめました」をくっつけた人は偉いな～。昭和生まれの新しい季語。
個人的には近所の和菓子屋の店頭に水色に赤の「氷」の小さい旗が出たときのほうが「あっ、夏だ！」って思いますけど。
あと、最強なのは小学校のプールから聞こえてくる子供の声な気がしますけど（ノスタルジー）。

冷やし中華のことを考えていたら亡き祖父が「しやしちゅーか」って発音していたことを思い出しました。生粋の江戸っ子ってほんと「ヒ」に弱い。
ヒがシになると言えば12歳ぐらいのときに一度「しやしこーしいるか？」って言われたときが一番戸惑った。
「シャーシ……？　格子ってどこの？　なんで？」
「しやしコーシだよ、しやしコーシ。喉渇いたろ。あ、おまえさんまだ飲めねェのか？」
と祖父が冷蔵庫から牛乳パック的なものを取り出しまして。ネス○フェって書いてある。
「なあんだアイスコーヒーかあ。そう言ってくんなきゃわかんないよ、おじいちゃん」
「何言ってんだ、しやしコーシはしやしコーシだろ！」
なんかちょっと怒られた。
（って思ったけど、単に江戸っ子の素の喋り方だったのだとのちに気づきました。孫相手の優しい喋り方に慣れてたから、祖父が普通に威勢良く話すと子供の時はいつも「怒られた！」ってびっくりしてたみたいです。）

そういえば祖父が一番よく言ったのは「ミルクセーキ飲むか」かもしれない。
よくミキサーで作ってくれました。バナナが入ってたからバナナミルクセーキっていうのかな。おいしかった記憶があるけどそれ以上に濃くてストローで吸いにくかったような覚えがあります。どろどろしていた。おやつ代わりだったのかしら。
戦前の横浜（馬車道）で一度ミルクホールだかカフェだかを経営してたらしいので、その頃のレシピを思い出して作ってたのかもしれません。

昨日の夕方、前日に見られなかった近所の足羽山（標高110メートルちょっと）のしだれ桜を見に行きました。樹齢360年とか聞いた気がします。
満開はちょっと過ぎたみたいだけど、頑張って咲いてました。

茶屋がある辺りまで（たしかぜんぶで10軒ほどあります）は花見客で混んでたんですが肌寒い夕方だったせいか頂上付近には人影もなく、「うわーこの桜独り占めか～」って。

もうそんなに明るくないけど暗くもないし堪能しようっと、とうろうろしてたらどこからともなくスクーターの音が。
「アホおめー折れるげ！」「あはははは！」
ん？　スクーターの何が折れるの？　と思ってたら茶髪に上下スウェットの二十歳ぐらいの若者二人が登場。
あら、ヤンキーの人がいまからお花見かしら……というかそんなに部屋着で寒くないの（私はあのラフな服装の方々を見るたびに、女子高生のミニスカ生足並みに頑張り屋さんだな～って気持ちになります。冬でもサンダル履きだったりするし）？
そしたらそのうちの一人がこちらに向かって歩いて来まして。
え、この赤い髪の背が高い子なんでこっち来るの？　後ろで「おめーどこにいるんやって」とか電話してる子はそんなでもないけど、こっちに来る彼はちょっとだいぶ大きいよ！？

知らない大きな男の人はちょっと苦手なのでそれとなく立ち去ろうかと思ったのですが、いきなり逃げると相手が不快に思うかもしれないと思いそしらぬ顔で花を見てたら、
「すんませ～ん」って。
私が話しかけられてるとは気づきませんでした、ってふりでスルーしたいけどどっからどう見てもここには私しかいない。
「はい？（……ああ、めっちゃ上から見下ろされてる。ちょっと怖い……）」
「あのお、この辺でたれてる桜ってどこっすか」
た、垂れてる桜！？　と一瞬目を見開いてしまったのですが、とりあえず普通の声で（喉の調子がマシな日でほんとよかった。声が出ない日だったら相手が聞き取ってくれるまでだいぶ苦労する羽目になるとこでした）、
「えっと……しだれ桜ならもうちょっと下ですね」と。
「え！？　ここより下っすか？」
「ここは山頂なので、『あじさいの道』のほうに下って……」
「は？」
（あ、すごい怪訝な顔された。初めて来たのかな。そうだよね、地元の子なら天然記念物の場所ぐらい知ってるよね。ていうかきみたちほんとそんな薄着でどこから来たの？）
「えーと、三軒茶屋まで下ったもうちょっと先です。駅前側の登り口（あじさいの道）から登ってくると茶屋が三軒並んでますから、その少し下」
「はあそーすか」って振り返った青年は「もっと下やってさ～」と電話中の子に言いながらぶらぶらと去っていきました。
遠ざかるスクーターの音を聞きながら『神社の境内にあるから道沿いからは見えないよ』って言い忘れたな、と思いました。
でもまあ少し下れば人がいっぱいいるから教えてもらえるよね……。
そういえばなぜかよく道を聞かれるのですが、わかりやすく説明できたためしがありません。

このあと、さて独り占めも堪能したし帰ろうかな、と思ったら車を停めた場所がわからなくなってて、どきどきしながら軽くさまよいました。
てっぺん辺りでぐるっと回ると方角がちょっと、ね。
一歩間違えると墓地に迷い込んでしまう山なので来た道を辿って戻ったら、学ランの高校生二人がにこにこしながら肩がくっつく距離で登ってきてて可愛かったです。山を突っ切って帰る子たちなのかな。

山から見た田舎の夕景。桜越しの金色の雲が綺麗でした。

※全体的にぼんやりしたケータイ画像ですみません（薄曇りの夕方でした）。