NO.9｜ときどき日記

画面向かって右側が、こんもりとした緑の古墳。

5月18日の日曜日、ツアー・オブ・ジャパン（堺ステージ）を見に日帰りで大阪に行って来たのです。
ちなみに自転車RRの大会です。ものすごくいまさらですがRR＝ロードレースって公道（普通の道路）で競争するやつのことです。
始発の特急に乗ったんだけど、時間ぎりぎりで駅に着いたら財布をまるっと家に忘れてきていたからだいぶびっくりしました。県外に出かけるのに財布（カード類が全部入ってる）を持ってないなんて生まれて初めて。
幸い財布とはべつにいくらかの現金を持っていたので事なきを得ましたけど。

会場は仁徳天皇陵古墳のお向かいの、大仙公園というところ。
仁徳天皇陵のあの鍵穴みたいな上空から見たかたちは非常によく知ってる気がしていたけど、改めて考えたら「小学校のテストで『前方後円墳』って書くやつ」という知識しかなかった。
もちろん（何も知らないだけあって）実際に見るのもはじめて。
知らない場所に行くのはとにかくドキドキするんですが、今回は大阪駅から（私が珍しくしっかり顔と名前を覚えている）Hさんという方とご一緒させていただくことになっていたので、たいそう心強かったです。

当日は晴れて陽射しも強く、からりと心地良い初夏の陽気でした。そこそこ暑いけど木陰に入ったり風が吹いたりするとひんやり爽快って感じの、いわゆる行楽日和。

おおきな古墳って近くで見たらただの小山なんだろうなあ（上から見ないとあの形把握できないし）、と思っていた仁徳天皇陵古墳は、道向かいから見たらこんもりとした丘だったんですが、色濃くなった真新しい若葉が美しい時期で、そして大仙公園は広くてざっくりとした気持ちの良い場所でした。
自転車で観戦に来る人たち向けと思しき「自転車置き場」という看板が、その辺の芝生の木立に適当な感じでくくりつけてあったりして。

そういえば公園に近付くにつれて何か白いものがふわふわと飛んでいるように見えて、最初は眩しくて視界がちらついているのかと思ったんだけど、公園に入ってからよく見たら小指の先ぐらいの綿毛がたくさん飛んでいた。私はこれまでそういう光景をあまり見たことがなくて。
綿毛だ、何かの植物の。
と気づいた瞬間に昔聞いた「どこにでもゆく柳絮に姿を変えて」（中島みゆき『EAST ASIA』）という歌詞が頭を過ぎったんですが、これがその『りゅうじょ』というものなのかどうか実物を知らない私にはちょっと判断できず。
なんにせよ、ふわふわした白いものが緑一杯の中でたくさん風に舞っている景色は暑いのに雪みたいで、可愛いような不思議なような感じだった。

その大きな公園の外周がレースのコースでした。
午前は選手全員でぐるぐる周回するクリテリウム、午後は一人ずつスタートして一周の時間を競うタイムトライアル（こっちが『TOJ堺ステージ』という公式レースだったそうです）。
平らなコースをぐるぐる回るやつは何回も選手が目の前を通るし、カラフルなスピードの塊がぶわっと通り過ぎて行く感じがとても楽しい。
でもって、外国の選手が日本の道路（松の木とかの植わってる、仁徳天皇陵の前）を走っていく光景はこれまた少し不思議な感じでした。宇都宮のジャパンカップは2年連続で見に行ったから『日本のビル街や山を走る海外チームのジャージ』っていうのは去年と一昨年で目に馴染んだけど、それとはまた違う景色で。
観客の人たちもずいぶんとのんびりしていて、これはこれでいいものだなあ、と。
近くでこういう催しがあるのっていいな、晴れてるし風は気持ちいいし、焼鳥を焼くおいしそうな匂いもしてるし、リラックスした気持ちで見ていられるし。
そんなことを思いつつ、ほんと楽しい一日でした。

ここのチームのジャージが可愛い。