NO.9｜ときどき日記

真波くんという人が孤高の天使なのか孤独なイカロスなのかよくわからないので『とにかく大きな怪我はしないでね（ガラスの翼）』とただただ見守る姿勢に入っておりますが（もう坂道との勝負は見守る以外にどうしようもない）、とりあえず東巻としてはページをめくって「わっ」なりました。

サイクリングカップル見☆参！
ていうかこれ、もはや夫婦クライマーと称して良いのでは……。

並んで仲良く追いついてきたコマの巻ちゃんの「ショ!!」は今泉の「巻島さん!!」へのお返事だろうとは思うんですが、どう考えても尽八の「～なのだからな」への相づちだと考えた方がナチュラルだなあ、と（相方が『「行ってくるぜ」「はいよ、あんた」みたいな掛け合い感』だと言っておりました）。
私たちも毎度ふとももに反応するのはどうかと思ってるんですが、今週はこれまた尽八の腿が素晴らしくごつくてときめきました。横の巻ちゃんが細脚だから余計に。その巻ちゃんの簡単な顔がすごく可愛い。吊り目の点目、ほんと可愛い。ところで東堂先輩、そのまつげどうしたんすか？
それにしても足の間を見下ろすカット（ホルダーにボトルを戻すコマ）、斬新ですね。

そして今回は尽八の「さすがにここから先頭に追いつくのはムリ」「登るしか能がない」という彼にしては控えめな発言に胸を撃ち抜かれました。
なんていうか、自信家だけど無闇な過信はしてない感じ……て思ってたら、相方が尽八のそういう『己を知っていて、可不可の判断が冷静にできるところが格好いいよね』とわかりやすく表してくれてすっきりしました。そうそう、ほんとそう！
普段の印象とは裏腹に実は理知的（笑）な尽八は、レースについては能力と状況を読んだ結果の根拠のあることしか言わない。逆に自称リアリスト（？）で先回りして考えるように見える巻ちゃんは、けっこう行き当たりばったり。ちょうどよく裏表。
そこがハコガクと総北の違いでもあるけど、それにしてもこの二人よくできてるなあって。
真逆なようでいて向いている方向は同じだし、どっちも基本ポジティブだし。お互いが鏡になりつつ肩を並べて二人三脚で高め合ってきたわけだし。
友人と言えばやはりチームメイトのことなんだろうけど、この二人の場合は何も言わなくても一番よくわかってる相手が、同い年で同じ力量のライバル同士であるお互いなんですよね。

尽八が一緒に闘ってきた福ちゃんにも「クライマーという生きもの」について語らなくちゃいけないぐらい、同じ場所にいても理解できない部分がある。
それを、この二人はずっと一緒に追い求めてきた。どちらかが頂点を手にするものだと信じて鎬を削ってきた。
それなのにいま、もっとも欲しかったポジションを一年生に託す羽目になってる。
その悔しさも、ラストクライムの高揚も、これまでの「個人的な勝負」や「5分け」も、二人だけが分かち合う記憶なんだな、っていう。
誰に話しても決して本当には理解してもらえない感情を、体験を、言葉にならないそのときの感覚をこれから一生二人で抱えていく。共有し続ける。
そういう人たちなんだなあ、としみじみ。

スペア第4回は巻島編最終回でした。
隅から隅まで1年巻ちゃんがひたすら可愛かったです。
「それ終わったら…抜いていいんすか？」（何この台詞）の巻ちゃんのかわいこちゃんっぷりに取り乱して、出勤前の相方に慌ててメールしました。
尻だけ強調された微妙なジャージとか「あざます」（「あざす」じゃない！）とか、もーほんとなんなんだろ。かわいい。
でもなんでいちいちちょっと性的な言葉選びをされてるんだろう……。うん、私の心が汚れてるからだってわかってるけど、拙い感じで「キモチいいショ」とか言われたらちょっと困る。困るよ……。
「手あげろー」って言われて素直に腕を上げる巻ちゃんの、ごくごく普通の子っぷりにめまいがしました。あんな髪の色であんな不思議な登り方をするのに、この子本当になんの変哲もない（ちょっとコミュニケーション下手なだけの）普通の子。ミラクル。
ほんとどうやってこんな奇跡的なキャラクタを思いつくことができたのかしら、先生。すごい。
壁の穴はもうちょっと劇的な理由があるかと思ったらそうでもなくて、余計な波乱がなかったのでほっとしました。巻ちゃんに何か過去の傷があったらどうしようかと思ってたけど、全然ほのぼのだった。よかった、お馬鹿さんなだけだった（笑）。
ちょっとしたスリルでぞくぞくする巻ちゃん（いろいろ過敏）はきっと大きなスリルや痛いことがかなり苦手なんだろうな～、って思ってたらやっぱりほんとに怖いことは全力で回避する子だったようで。
壁にらくがきより穴が空いてる方がやばいと思うんだけど、うん、まあ、筆跡と違って犯人がわからないといえばわからない……かな……。ていうか後先考えない子だったんだな、リアリストさん（自称）……。
「ちょっとなかったことにしたのさ」で、さってなによ「さ」って！　て爆笑しましたが、壁をギコギコしてる後ろ姿の頭身が可愛くて実は一読したときには見過ごしました。パーカ（両袖同色）の破壊神、超キュート。

ていうか、誰にも話してない（ある意味武勇伝だけどわりと恥ずかしい）過去を後輩たちにつるっと語っちゃう巻ちゃん、うっかり者すぎてすごく面白い。
『期待に胸膨らませて鼻歌うたいながら登校した』とはさすがに言ってないと思うけど……！