NO.9｜ときどき日記

先日の朝、変な空模様で――と、妹からメールが来ました。

『秋空らしいのかな。向こうは光がさしてるけど、こっちは雨が降りそうな曇りで、さみしそうな朝日が夕日っぽくも見え、みたいな』

その朝、妹が息子（5歳甥）を幼稚園に送っていく車の中で「変な空だねえ。あっちは明るいね。向こうは雨が降りそう、あれ雨降ってきた？」と言っていたら、甥っ子が
「おかあさんの車は雨に向かって走ってるんよ。こっち（対向車線）は夕方に向かってるんよ」
と言ったのだそうです。

『そのまんまと言えばそうなんだけど、 「夕方に向かって走ってる」っていうそのフレーズが、反対車線が時空を超えてるような不思議な感覚なわけで、ちょっとときめきました。
で、雲を「朝くもり夕方ぐも」って名付けてたよ』とのこと。

あらまあ可愛い、『朝曇り夕方雲』って何かのタイトルみたい（あと「あっち」と「こっち」が上手く使えてないところが幼くて微笑ましい。たぶん指差して言ってたんだろうけど）。
「おとなは『朝なのに夕方みたいな空の色』って思うけど、あの子は見たまんま『向こうの空の下は夕方』だと感じたのかもしれないね、こっちとあっちは違う時間だって。子供の発言が素直で面白いってそういうことかしらね」と返事をしたら、「そうそう、実際に（反対車線の車が）夕方に向かって走ってる風な言い方だったからときめいたの」と妹が言っておりました。

そんなロマンティックな発言の多い甥とは裏腹に、3歳になったばかりの姪は
「サンタさんに何頼んだの？」と聞かれて
「あのねーくがつちゃんにねー」と言っていた。
完全にサンタさん＝プレゼントをくれる人になっている。
いや、こないだの誕生日で私を『サンタさんみたいにオモチャをくれる人』だと認識してしまったせいだとは思うけど、それにしたってサンタクロースの『トナカイのそりに乗って空を飛び』『世界中のよい子に一晩でプレゼントを配る』『赤い服を着た白い髭のおじいさん』って特徴が一個も考慮されてない。
サンタさんは単に贈り物をくれる人じゃないのよ、なんかこう、夢がある不思議な存在なのよ……！

続き

「大きくなったらベル（美女と野獣）になる」と言っている姪ですが、彼女が好きだといういちごちゃん（アイカツの、と言ってたかな？）というキャラクタと姪ちゃんどっちが可愛いと思う？　と聞いたら「いちごちゃん」って言ってた。
自分が世界一可愛いお姫様だと思っているわけではないのか、そうか……意外に客観的だな、3歳女児。
そんな現実主義な姪とふわふわした甥の話を聞くに付け、男女の差って大きいんだなーと思います。
甥と同じ年頃のときに夕焼け空を見て「おとうさん、お空がセーター編んでる」と言ったり、10歳ぐらいまで本気でサンタさんを信じていた上に頑張れば将来はネコになれると思っていたり（従姉の家で読んだ『綿の国星』の影響だと思う）、なおかつ猫になるための練習（木登りや鳴き真似など）を毎日していた私の女子力が低いのは致し方ない気もする。
……小学生にもなったら女の子はそんな幼いことは思わないものだよ、と大人になってから友達に指摘されて「え、そうなの？」って驚きましたけど。

そういえば甥っ子の命名がけっこうセンスがよくて好きだと言ったら
『名付けセンスと言えば、今日ガンプラにキーホルダーとか色々付けて『昆虫を探す機械』を作ってたんだけど、その部品の説明をしているときに
「これが”ちくちくサイダー”、これは”ちゃんちゃんべらシールド”」
って 言ってて、”ちくちくサイダー”ってなんか可愛いな、と思いました。
で、「これは目」って言ってて、あ、目は普通なんだね、みたいな』
って妹が教えてくれました。
私も『ちくちくサイダー』は響きが可愛いと思う（どんなものかまったく想像できませんが）。