NO.9｜ときどき日記

2月3日のハコガク。
年の数だけ豆を食べる福ちゃんを背中で守りながら「鬼は外ーー！！！」と渾身の力で新開に豆をぶつける自転車競技部（大人数）と、期待に応えて迫真の鬼を演じる新開。全力の厄払い。
全員の豆まきが終わった後
「今年もこの日がやってきたよ、ウサ吉……俺さ、今日は部室に入れないんだ……聞いてるか、ウサ吉？」
とひとり寂しく微笑みながら兎小屋の前にしゃがみ込むデリケートな鬼。
そこに
「新開さーん、恵方巻食べましょうよー。早く来いって荒北さんが言ってましたよー」って真波が呼びに来て
「今日はいいよ、真波。いいんだ。オレはほら……鬼だからさ」
「え、なんの話ですか？」
みたいな。
さらに
「早く来い、新開！　オレはもうハラペコなんだよ！」
「うむ。そうだぞ、新開。おまえが来ないから恵方を指す役の泉田がぷるぷるしはじめたではないか」
「それって東堂さんが『わかりやすいように全身で矢印をやれ』って言ったからじゃないですか～？」
「わはははは、今日はコンパスが全国のご家庭で活躍する日だぞ、年に一度の大役だ！　それにこのオレに指名されたのだからあいつは光栄に思うといい！」
って靖友と尽八も駆けつけてくる。
みんなに連れられて部室に戻ったら福ちゃんが片手に年の数の豆、片手に恵方巻を握ってドン（効果音）！ってなりながら
「今年も見事だったな、新開。いい鬼だったぞ」
「寿一……！」
「新開さん、今年の恵方は向こうです！」（槍のように全身を尖らせて指し示しつつ）
「泉田……、みんな……！」
って新開が感動したあと、みんなで並んで無言でもぐもぐ恵方巻を食べるっていう。

――なんかそういう漫画が読みたいな、って舞台を見ながらちらっと思いました（というのが感想です）。

あと、舞台の靖友（煮えたぎるような世話焼き）は「福ちゃん、豆は18コだけだって！　そんなに食ったらオッサンになっちまうぜェ！？」とか吼えそう。
舞台の尽八（やたらとハイテンション）は「わはははは、豆を踏むとバリバリして面白いぞ！　みんなやってみろ！」ぐらいふざけそう。
それぐらい個々のキャラがくっきりしていて楽しかったです。あ、鳴子役の人の活躍がすごかった。
荒北と鳴子の人の体力はどうなってるんだろう……。